眠りの森の魔王様



 
 

世界は三界に分かれている。
一つは天界人の住まう天界。
一つは魔界人の住む魔界。
一つは人族が住む人界。
人界に唯一つ存在する大陸、アルデラーン。そしてその地を支配する唯一の国家、"王国"。国教でもある聖教徒会は天界人を指して天使と呼び、魔界人を指して魔族と呼んだ。

今を遡ること400年前、魔界からの侵略を受け滅びの危機に晒された人界を勝利に導いたのは1人の乙女であった。天界人の加護を受け、己が命を賭しつつ魔界の王フェルシスを封じた乙女、聖女フィルナージュ。
彼女が拓いた"王国"はその系譜たちによって受け継がれ、現在へと至る。




「なんであたしかってことよっっ。他のシスターにやらせてよっ」
マリア・ウィルビッシュ、18歳、特1級聖士。否応なく引き受けさせられた仕事は魔王が封印された『眠りの森』での調査であった。
そしてかの地で出会ったのは怪しい美形の男。

「目的は知らぬが、私も一緒に行ってやろう」
フェルス。銀髪、紫紺の瞳の正体不明の男。魔界の王と一文字違いの名を名乗りマリアと行動を共にする。


「恐怖の魔王様と一文字違いって訳ね。覚えやすくて助かるわ。それとも本当に魔王様なんてベタな設定もあり?」


「お疲れさまです。さすがあのマリアさんですね」
エリック・セルヴィナン、人当たりの良さそうな笑みを常に浮かべた教会の聖士。温厚そうな外見にも関わらずマリアをして「いい性格」といわしめる。

「で、あの男は何なんだ?」
エドアルド・ クロイツェル。次期グラニール公にして王位継承権第三位を有する王族の一員。教会においてはマリアの上司でもある。




コメディ8割、シリアス2割でおくる異世界ファンタジー。後半に進むにつれてシリアス要素増加中。




 
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